今日も救急外来には、一人ひとり状態の異なる患者さんが次々と到着します。
「やるしかない」
救急の現場で、判断に迷う時間はほとんどありません。
救急認定看護師として院内の最前線に立ち、さらにDMATとして災害医療にも携わる救急看護認定看護師の山中さんと原さん。
極限の状況でも求められるのは、冷静な判断とチーム力。
今回はお二人に、救急看護のやりがいや葛藤、そして「やるしかない」の先にある思いを、伺いました。

なぜ、救急領域を選ばれたのですか?

先輩の認定看護師さんが、本当にいきいきと仕事をされていて。
「かっこいいな、自分もやってみたいな」と思ったのがきっかけです。

僕はもともと、離島や過疎地域で医療を提供したいという思いがありました。
地元の栃木の田舎も高齢化が進んでいて、重症化してから病院に運ばれる方が多い。もっと早い段階で介入できたら、という思いが、救急を目指した原点です。

特定行為が生きた経験を教えてください

くも膜下出血の患者さんが救急搬送されたときですね。医師がご家族への説明で一瞬その場を離れなければならない状況でも、動脈ラインの挿入や人工呼吸器の設定、鎮静管理などを同時進行で行えました。

くも膜下出血は、僕たちの強みが一番発揮される場面ですね。
医師がやらなければならない行為と並行して、他の必要な処置を進められるのが最大のメリットです。その分、時間の短縮につながります。また、ICUで人工呼吸器の設定変更のたびに、医師へ連絡する場面がありますが、僕たちが対応できることで、その都度の手間も減ります。

救急の現場で大変だと感じることは?

救急車を断らない流れのなかで、限られた人員や資源で最善を尽くすことですね。

とはいえ、やるんだけどね。 今月は救急車 600台越えてますね。

そうなんです。でもそこをやりとげちゃうのが救急看護師。

やらなきゃいけない。やるしかない。
僕は指導職でもあるので、実践も教育も担っています。やっていることが、良くも悪くもみんなに見られる立場なので、常に正解を出し続けなければならない。そのプレッシャーは正直しんどい時もあります。肉体的に大変な面もありますが、どちらかというとメンタル負担ですね。

大変な時、どう乗り越えるんですか?

やるしかないよね(笑)

あとは、仲間の存在ですね。同期や縦横つながりがあるから、続けられています。

ああ、それは本当そう。
僕たちの業務は特殊な分野なので、共通認識をもった仲間が支えになります。認定過程で一緒だった、今も最前線にいる他院の仲間も心の支えですね。

これから、やりたいことは?

この分野に進んだきっかけでもある離島や過疎地域での医療です。将来的には、往診や健康教室など、予防に関わる医療をやりたい。そのために、まずはここでの仕事をしっかりやり切りたいと思っています。

僕は、管理と現場の両方をできる人になりたいですね。
正直、勤務表作成は楽しくないです(笑)。管理職だと、求められるものも今までと異なるので、現場に出る時間はどうしても減る。でもやっぱり楽しいのは現場。現場を一番大事にできる人でありたいと思っています。

救急を目指す人に身に付けてほしい力

自分の考えを『言語化する力』はとても大事です。患者さんの急変理由をどう捉えて、どう相手に伝えるかで、チーム医療は変わります。

コミュニケーション能力が一番大事ですね。
救急の現場は、絶対チームで動く。一昔前の部活みたいですけど、声出してっ (笑)
それと、いろんなことに興味をもってほしい。「あれ?」と疑問に思うことが大事です。普段の現場では、説明も最低限になりがちですが、あとから「あの時、なんであの指示だったんですか?」と疑問に感じたことを聞いてくれたら、改めてしっかり教えてあげられる。 僕たちは常に「本当にこれで良かったのかな?」と振り返る職種。長くやってきても、毎回もっとできることはなかったか、と考え続けています。

二人はDMAT隊員として、能登半島地震では共に現地へ向かいました
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