
人生に長く寄り添うその人らしく生きるを支える
透析や糖尿病は、一生付き合っていくことも多い慢性疾患です。
だからこそ必要なのは、治療だけではなく、その人らしい生活を支える看護。当院で活躍する透析看護認定看護師さんと、糖尿病看護認定看護師さんに、認定看護師を目指した理由や日々の活動、患者さんへの思いを伺いました。
目指した理由

患者さんの人生に伴走するような看護がしたい
透析看護は、療法の選択から導入、維持、終末期まで患者さんの人生に長く関わります。
その中で「患者さんの人生に伴走するような看護がしたい」と思っています。そのために、確かな知識やエビデンスが必要だと考え、認定看護師を目指しました。

知っているようなつもりで終わらせない
以前、訪問看護に携わっていた時期があります。
その頃、糖尿病のコントロールがうまくいかず、糖尿病が悪化していた患者さんと関わる機会がありました。その方から、「いいんだ、俺は好きにやって、好きに死んでやる」と言われたことがありました。
その言葉を聞き、自分は糖尿病について「知っているようなつもり」になっていたのではないかと痛感しました。
もっと糖尿病について勉強し、患者さん一人ひとりに合った支援ができるようになりたいと考え、糖尿病療養指導士、さらに糖尿病認定看護師の資格を取得しました。

専門性を生かした日々の活動

週1回の活動日には、透析療法選択外来や腹膜透析外来で患者さんの相談に対応。
腹膜透析導入時の調整役を担うほか、スタッフ教育やミニレクチャー、マニュアル作成などにも取り組んでいます。

私は普段病棟で勤務しています。
活動日には透析患者さんへのコンサルテーションやフットケア外来を担当しています。スタッフと一緒にフットケアを行いながら知識を共有し、専門性を現場へ広げています。現在、糖尿病の病棟なので、今後は病棟でももっと専門性を生かしていけたらいいなと思っています。

忘れられない患者さん

糖尿病のコントロールが生きる希望に
今も心に残るのは、すい臓を患いながら糖尿病治療に懸命に取り組んでいた高齢の患者さんです。
がん末期の方でしたが、血糖測定器の装着も覚えてくれて、一生懸命糖尿病治療に取り組んでいました。ある日、容態が急変して入院された際に、その方が「ごめんね、うまく測定器装着できなくて」とおっしゃって。医師と「治療することがなによりその人の生きがいだったんだね」という話になったんです。それなら、次の日に装着してあげよう、と話していた翌日に亡くなりました。とても後悔しました。がん末期の患者さんの場合、糖尿病のコントロールは二の次になってしまうこともあります。それでもその人が大切にしていることであり、生きがいにつながっているのであれば、亡くなるギリギリまで私たちも支援することが大切なのではないか。その経験から、そう考えるようになりました。

すごくよく分かります。糖尿病のコントロールをすることが、その人にとって生きる希望になっているんですよね。
がんで余命が限られていることは、ご本人もわかっていたのかもしれない。それでも、糖尿病の管理をすることが、その人にとって生きる希望につながっていたんですよね。

数値もご自身で見られるようになって、一喜一憂する患者さんもいますが、はっきり見えるところが安心感や達成感につながっていたりするのかな。

自分の人生だから、自分の好きなように生きたらいいんですよ
透析導入を目前に控えながら、なかなか踏み切れず迷っていた患者さんとの出会いがあります。
『透析をしてまで生きる理由が見つからない。夫からも職場からもそうまでして生きたいのか、と思われるんじゃないか』その患者さん、そう話されていました。
私は思わず『旦那さんなんかどうでもいいじゃないですか』と言ってしまって。『自分の人生だから、自分の好きなように生きたらいいんですよ、行きたいところや、やりたいことはないんですか?』と聞いてみたら、失意のどん底にいたみたいな表情だった患者さんが「あ、そっか」みたいな表情になって。すると息子と好きなロックバンドのライブに行きたいという夢を話してくださり、導入後には『大阪のライブに行ってもいいですよね!』と笑顔で来院されたんです。
その方の人生を前向きにするお手伝いができたことは、本当にうれしい経験でした。

大切にしていること

話をとにかくよく聞くこと
患者さんのお話をとにかくよく聞くことです。雑談の中に本音やヒントが隠れていることが多く、一つの言葉で患者さんが前向きに変わることもあります。訴えていることは何なのか、何を言いたいのかを逃さずに理解することは、日々努めています。

一緒に方法を考え、一緒に歩む存在でありたい
私は『指導する人』ではなく、患者さんの伴走者でありたいと思っています。
一緒に方法を考え、一緒に歩む存在でありたい。病院へ来てくれるだけでも患者さんは十分頑張っています。その努力を認め、良きサポーターであり続けたいです。

私たちの分野は、慢性期疾患で、一生付き合っていかないといけない病気だから、長い視点で見ているんですよね。