当院について

当院の特徴

質の高い医療の提供により、地域・社会に貢献する。
済生会川口総合病院の特徴についてご紹介します。

高度医療・チーム医療

総合力あるチーム医療

手術支援ロボット、デュアルソースCT、3テスラMRI、PET/CT、O-armナビゲーションシステム、IMRT(強度変調放射線治療)、BioJet(MRI融合ターゲット生検)などをはじめとした最新鋭の医療機器を積極的に導入し、高度医療に向けた体制を整えています。
また、手術支援ロボットの使用を含めた腹腔鏡手術、全国でもトップクラスを誇る脊椎・脊髄疾患に対する手術、虚血性心疾患におけるPCI、心房細動に対するカテーテルアブレーション、24時間で対応する脳血管障害に対する治療、内視鏡治療など、中核病院として数々の高度専門医療を実践しています。
そこには、外科系・内科系の医師と、麻酔科、放射線科、病理診断科の医師をはじめ看護師、技師(士)、事務など多職種の垣根を越えたチーム医療が不可欠です。研鑚を積むとともに、コミュニケーションを図り、それぞれが専門性を発揮しながら総合力あるチーム医療を実践し、質の高い高度専門医療を提供しています。

手術支援ロボット「ダビンチ」
da Vinci Xi

手術支援ロボット
da Vinci - ダビンチ -

手術支援ロボット「ダビンチ」は、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするためにアメリカで開発された最新鋭の内視鏡術支援ロボットです。
高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。

ダビンチは医師の手の動きを、より細かく精密な動きに変換します。

ダビンチは従来の腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り外科医の操作にしたがって内視鏡・メス・鉗子を動かして手術を行う内視鏡手術支援ロボットです。
術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。

  1. 「サージョンコンソール」とよばれる操縦に座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。

  2. 「ペイシェントカート」の4本のロボットアームにその動きが伝わります。

  3. 「ビジョンカート」のモニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフも同じ画像が共有されます。

Davinci 縫合

ダビンチの特長

  1. 体への負担が少ない

    数か所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。

  2. 鮮明な3D(3次元)画像

    コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。

  3. 精密な動きを再現

    医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。

患者さんのメリット

内視鏡や鉗子を挿入するための5-10ミリ程度の創で済むため、創が小さいこと、出血が少ないこと、そして、患者さんの身体への負担も軽いということが大きなメリットです。

  • 入院期間が
    短い

  • 出血量が
    少ない

  • 合併症が
    少ない

  • 回復が
    早い

  • 手術創が
    小さい

※がんの治療は、病期や患者さんの状態などにより治療方法が異なります。すべての方にロボット支援下手術が適しているわけではありませんのでご了承ください。

対象疾患と実績

泌尿器科
  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 腎がん
  • 尿管がん
  • 腎盂形成
外科
  • 直腸がん
  • 胃がん

2019年8月に川口市に初導入し、前立腺がんの手術スタート後、膀胱がん、腎がん、尿管がん、腎盂形成へ適用。また、消化器外科疾患への対応は2022年に胃がん、直腸がん手術を開始、2023年は病院全体で約150症例の手術を実施。

費用について

当院で対象としている上記の疾患に対するロボット支援手術は保険適用となります。また、高額療養費も適用されます(高額療養費につきましては、所得により異なります)。

※詳細につきましては各診療科でお尋ねください。

担当医メッセージ

  • 泌尿器科 主任部長

    橋本 恭伸

    ダビンチの導入により、より精緻な前立腺摘出術が可能となりました。
    前立腺がんの治療は、患者さんのご自身の年齢や併存疾患、また、仕事や介護の有無などの社会的な因子も含め総合的に最適な治療を選択できる時代です。ダビンチは、その一つとして画期的な治療法とも言えます。
    済生会は地域に根ざし、地域の医療に貢献することを明治天皇が望まれ設立された病院です。この機器が川口市、埼玉県南部の医療に貢献できるよう安全に使用していくことが責務と考えています。

  • 外科 部長

    根上 直樹

    2022年5月より、直腸がんに対するロボット支援下手術を担当しております。これまでの腹腔鏡下手術の利点が、さらに向上・強化されているロボット支援下手術では、今まで以上に精度の高い、精緻な手術が可能となりました。より高いがんの根治性と、より確実な機能温存を追求してまいります。
    ロボット支援下手術をとおして、地域のがん医療に貢献できればと存じます。

  • 泌尿器科 主任部長

    岡田 治彦

    2022年6月より、胃がんに対するロボット支援下手術を担当しております。
    当院はこれまで10年間かけて、胃がんに対する腹腔鏡下手術にて、低侵襲・機能温存・最適な再建方法の選択に取り組んできました。
    腹腔鏡よりも、さらに低侵襲・精密で合併症の少ない手術が可能であるロボット支援下手術を行うことで、治療を受けられる地域の方々に、より安心を提供できればと思います。

救急医療

24時間365日地域の安心を支える

当院は二次救急を担う、急性期病院です。救急医療の多くを占める虚血性心疾患、脳血管疾患には専門医師が24時間365日体制で対応しています。また、いつでも手術に即応できる環境を整え、緊急時にも的確な診断をするために必要な各検査に対応できるよう、医師・看護師だけでなく、臨床工学技士・臨床検査技師・診療放射線技師・薬剤師・医療事務など、多職種による総合力を生かした救急医療体制を構築しています。重篤な患者さんに対応するICUは14床(うち陰圧個室4床)を完備し、集中治療専門医や救急看護認定看護師、集中ケア認定看護師をはじめとした専門のスタッフが高度な治療を集中的に行っています。

がん医療

垣根を越えたトータルながん医療

2009年2月に「地域がん診療連携拠点病院」として指定されました。各診療科、各職種の専門スタッフが垣根を越えて協力しあい、早期発見、迅速かつ的確な診断、個々の患者さんにあわせた質の高いがん医療を提供します。同時に、地域の医療機関とともに、がん医療の向上に努めています。
日本人に多い胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、肺がんを中心に、外科的切除術、内視鏡的切除術、抗がん剤による化学療法、放射線による放射線療法を、外来、入院にて実施しています。
また、すべてのがん患者さんに対して、より多面的に、ニーズの理解、寄り添った関わり、その人らしい生活・治療の選択などに向けてサポートし、シームレスな充実したがん医療を提供しています。

がん治療実績

がん医療などのお問い合わせ

がん相談支援センター平日(月~金)10:00〜15:00

取り組み

緩和ケア

体や心などのつらさが大きいと、体力を消耗し、がんの治療を続けることが難しくなります。そのため、がんと診断された時から「つらさをやわらげる=緩和ケア」を始めることが大切です。
当院には、緩和ケアを専門的に提供している医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、社会福祉士(ソーシャルワーカー)、栄養士など、多職種から構成される緩和ケアチームがあります。痛みや気持ちのつらさ、苦しさに寄り添い、少しでも不安が軽減されるよう、共に考え、患者さんとご家族が「より自分らしく」生活できるようサポートすることをめざしています。
緩和ケアチームに関することや、緩和ケアチームのスタッフと話をしてみたい場合には、がん相談支援センターへお問い合わせください。なお、当院には緩和ケア病棟はございません。

緩和ケア研修会修了者一覧

がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会および緩和ケアの基本教育に関する指導者研修会修了者

(2025.04.14現在)

診療科 氏名
救急・総合内科 笠井 英裕 / 岩崎 歩世 / 戸塚 亮
消化器内科 松井 茂 / 中寺 英介 / 氏原 哲郎
循環器内科 門脇 拓 / 菅原. 洋平
呼吸器内科 南條 友央太 / 小村 萌起 / 杉谷 帆波 / 吉川 仁美 / 岡島 耀史 / 宮木 朋葉 / 四元 佳奈子
内科 太田 香保 / 北川 達也
糖尿病・内分泌内科 田中 聡 / 松本 諭 / 鹿嶋. 直康 / 音丸 美玖
腫瘍内科 佐々木 滋
精神科 加藤 頼子
腎臓内科 石塚 史乃 / 酒井 敬史 / 新坂 真広 / 須山 真弓子
小児科 有井 直人 / 大山 昇一 / 西﨑 淑美
外科 佐藤 雅彦 / 石戸 保典 / 大内 一智 / 根上 直樹 / 岡田 治彦 / 藤原 大介 / 崔 賢美 /
柴本 峰彩子 / 川合 良尭 / 小林 清洋 / 二木 修平
呼吸器外科 尾泉 広明
血管外科 西山 綾子 / 福原 菜摘
臨床検査科 渡部 英
皮膚科 高山 かおる / 田中 瀬奈
耳鼻咽喉科 神川 文彰
産婦人科 高橋 裕子 / 東野 昌彦 / 網倉 貴之 / 木戸 直子 / 毛利 紘子 / 小林 周子 / 秋田 世理 /
伴 操 / 鈴木 七海
整形外科 新井 嘉容 / 沼野 藤希 / 高橋 広成 / 坂東 燎
脳神経外科 光岡 英之 / 眞上 俊亮 / 川村 海渡 / 荻野 樹
リハビリテーション科 北川 諒
泌尿器科 橋本 恭伸 / 石原 弘喜 / 永久 知佳 / 齋藤 彬
麻酔科 堤 祐介 / 近藤 泉 / 今井 美奈 / 鈴木 邦夫 / 黒田 唯 / 太田 文乃 / 大木 俊吾
放射線科 中村 香織 / 保科 彩子
健診センター 麻生 結子 / 原口 美明 / 橋本 道代

緩和ケアの基本教育のための指導者研修

診療科 氏名
外科 佐藤 雅彦
泌尿器科 橋本 恭伸

緩和ケアの基本教育のための指導者研修

診療科 氏名
小児科 大山 昇一 / 井上 久美子

がん相談

患者さんや、ご家族の方のがんに関するさまざまなご相談をお受けしています。
生活や、治療、お薬、看護、介護、栄養のことなど、不安に思うことや、困っていることなどいつでもご相談ください。
専門看護師やソ−シャルワーカーをはじめ、各専門スタッフが一緒に考え、よりよい方向を見出すお手伝いをいたします。
相談例:「がんとの向き合い方がわからない」「つらい気持ちを聞いてほしい」「本人への伝え方」など

ご利用方法
電話
がん相談支援センターにお電話し、相談日時をご予約ください。お電話でのご相談も承ります。
直接
病院本館1階 患者相談総合窓口(相談員が他の相談業務に入っている場合は、少々お待ちいただくことがあります)

外来化学療法室

当院では、患者さんの日常生活の質の向上を重視し、通院しながら安心して治療を受けていただけるように「外来化学療法室」を設置しています。
外来化学療法室では、リクライニングシート・ベッドを設置しており、リラックスして治療が受けられるようテレビなどアメニティにも配慮しています。

外来化学療法室

がんの早期発見やがん予防

侵襲の少ない高機能のPET/CT検査を導入して、診断を行っています。

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンとは…患者さんが、現在診察されている病院での診断や治療方針について、他の病院の医師から意見を聞き、参考にするものです。当院では、臓器別に専門医師が患者さんやご家族にセカンドオピニオン対応を行っております。詳しくは、がん相談支援センターまでお問い合わせください。

対象の方

患者さんご本人およびご家族の方

※ご家族のみでのお申し込みの場合は、患者さんの同意が必要です。
※主治医からの診療情報提供書をご用意いただける方。

※保険外診療(全額自費)です。相談時間は原則30分とし、延長1時間までとなります。(30分以内:11,000円/30分から1時間以内:16,500円 税込)

希少がん、小児・AYA世代のがん、妊孕性温存療法、がんゲノム医療

当院ではがんゲノム医療中核拠点病院などの地域医療機関と連携し、下記がん医療へも取り組んでいます。

がん医療への取り組み
希少がん
患者数が少なく、稀ながんのことをいいます。人口10万人あたり6例未満の罹患率で、他のがんに比べて課題が大きいと定義しています。
がんゲノム医療
主にがんの組織を用いて、多数の遺伝子を同時に調べ、遺伝子変異を明らかにすることにより、一人ひとりの体質や病状に合わせて治療などを行う医療です。
小児・AYA世代のがん
小児がんは、小児がかかるさまざまながんの総称で、一般的には15歳未満に見られるがんのことです。AYA世代のがんは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、おもに15歳~39歳までの世代を指します。
妊孕性温存療法
抗がん剤や放射線治療などの治療により、妊孕性が失われたり、低下したりすることがあります。がん治療の前に卵子や精子、受精卵、卵巣凍結を行い、がん治療後にこれらを用いて妊娠、出産をめざすことができます。(埼玉県がん・生殖医療ネットワーク加入)

Canサロン

がんの経験者やご家族の方が集い、ともに語り、情報交換ができる場となっています。「副作用で爪が欠けて困る」「シミが気になる」「なんだか元気がでない」「とにかく辛い」「なんとなく不安」など…思いをなんでも語ってみませんか?

※当日参加OK
※出入り自由
※ケア用品のサンプルもございます

次回のご案内(Canサロンチラシ)

がん市民公開講座

当院では、がんについての正しい知識を身に付けて、がんの予防、治療に役立てていただきたいと、「がん市民公開講座」を毎年開催しています。

イベント・講座はこちら

周産期医療

小さないのちの誕生をサポート

当院は、地域周産期母子医療センターに指定されており、24時間体制で、地域の周産期医療を担い、安心・安全な分娩ができる体制を整えています。
陣痛室(8床)は全個室化、分娩室は4室を有し、そのうち1室は急変時にも、その場で緊急手術に対応できる仕様となっています。また、低出生体重児や疾患をもってうまれた新生児のケアをするNICU(6床)を完備。助産師は妊娠中から妊婦さんに寄り添い、個々に合わせたサポートを行っています。

出産や産科病棟などのお問い合わせ

産婦人科外来14:00〜16:00

予防医療

精度と質の高い診断で、がん・生活習慣病の予防をサポート

「がん」は早期発見・早期治療を行うことで、治る可能性が高まります。また、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病も、自覚症状がないまま進行し、放置すると脳卒中や心疾患などの重篤な病気につながる可能性があります。こうした疾患を予防し、健康を維持するためには、定期的な健診が大切です。
当センターでは、1.5テスラMRIをはじめ、内視鏡、マンモグラフィ、高画質な超音波などの充実した医療機器を完備し、学会認定医や専門スタッフが精度と質の高い診断を提供しています。
また、人間ドック学会の「人間ドック健診施設機能評価認定」を取得し、信頼性の高い健診を実施。

人間ドック・健診のご予約

健診センター予約専用平日10:00〜16:00

災害拠点病院

災害時の医療支援拠点として、24時間体制で救護と搬送を実施。

当院は、2007年8月に埼玉県より「災害拠点病院」の認定を受けています。
災害拠点病院とは、厚生労働省が「自然災害発生時に中心となって災害医療を提供する病院」として定めたものです。災害時にも必要な医療提供を行える機能を維持するため、「送電がストップした場合に備えた十分な燃料の備蓄」や「水の確保」を行っています。

災害拠点病院に認定されるには

以下の4点を満たし、なおかつ厚生労働省の認可を受ける必要があります。

  • 24時間いつでも災害に対する緊急対応ができ、被災地域内の傷病者の受け入れ、および搬出が可能な体制を持つ。
  • 実際に重症傷病者の受け入れおよび搬送をヘリコプターなどを使用して行うことができる。
  • 消防機関(緊急消防援助隊)と連携した、医療救護班の派遣体制がある。
  • ヘリコプターに同乗する医師を派遣できることに加え、これらをサポートする、十分な医療設備や医療体制、情報収集システムとヘリポート、緊急車両、自己完結型で医療チームを派遣できる機材を備えている。(当院は、市街地に立地しているため、川口市荒川町西中グランド(河川敷)をヘリポートとしています)

災害派遣医療チーム(DMAT)

DMATとは、医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職および事務職員)で構成され、災害時に活動できる機動性をもつ、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チームです。
災害医療に備えて、定期的に災害対応訓練を行っています。