地域がん診療連携拠点病院
当院は、2009年2月に「地域がん診療連携拠点病院」として指定されました。
県南地域のがん診療の中心となる当院では、がん治療について、厚生労働省の「第3次対がん10か年総合戦略」にのっとり、患者さんが質の高いがん診療が受けられるような環境の整備および診療の実施を、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、ソーシャルワーカー、診療情報管理士が一丸となって取り組んでおります。
具体的な取り組み
- 日本に多い(胃がん、大腸がん、肝臓がん、乳がん、肺がん)を中心に、外科的切除術、内視鏡的切除術、抗がん剤による化学療法、放射線による放射線療法を、外来、入院にて実施しています。
- がん相談支援センターを設置し、がんのさまざまなご相談に対応しています。
- セカンドオピニオン外来を設置し、患者さんからの依頼に応じています。
- 緩和ケア医療を、いろいろな面より実施しています。
- 地域の医療機関との連携をもって、患者さんのがん治療をサポートしています。
- がんの早期発見やがん予防のため、侵襲の少ない高機能のPET/CT検査を導入して、診断を行っています。
第3回患者体験調査 ご協力のお願い
このたび当院は、厚生労働省から委託を受けた国立がん研究センターがん対策研究所医療政策部から依頼され、がん対策推進基本計画の一環として、国のがん対策の効果や進捗を知るためのアンケート調査「患者体験調査」の第3回調査に協力しております。
国のがん対策をより向上させていくためには、適切なアンケートにより、患者さんの体験を正確にお伺いすることがとても重要です。どうぞご理解ご協力をお願い致します。
詳細は次のリンクよりPDFファイルをご参照ください。
ご不明点は、「調査に関するお問い合わせ窓口」にお問い合わせください。(PDFファイル内に記載しております)
各診療科の取り組み
消化器内科
〔取り扱い疾患〕
肝細胞がん 食道がん 胃がん 膵がん 胆道系のがん(胆嚢がん・胆管がん) 大腸がん
〔診療体制〕
当科は日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会の認定施設であり、専門医・指導医が所属しています。
消化器がん全般を扱いますが、特に力を入れているのは、食道がん・胃がん・大腸がんの内視鏡的治療、肝がんの内科的治療、消化器がんの抗がん剤治療・放射線治療などです。
肝細胞がん
肝臓にできるがんのほとんどが肝細胞がんで、その原因のほとんどがC型ならびにB型肝炎ウイルスです。したがって、ウイルスの治療が大切です。ウイルスがいなくなれば、がんの心配はほとんどなくなります。
しかし、がんができてしまった場合は、がんの程度や肝臓の予備力により、治療法を選択します。
−治療方法−
ラジオ波焼灼療法・・・肝臓に針をさして、ラジオ波でがんを焼く方法
経皮的エタノール注入療法・・・肝臓に針をさして、がんにエタノールを注入してがんを小さくする方法
経カテーテル肝動脈塞栓術・・・がんに栄養を与えている血管を詰めてしまい、がんを小さくする方法
肝動注化学療法・・・リザーバー設置後抗がん剤を反復して注入し、がんを小さくする方法
胃がん
胃がんの発生にはピロリ菌の関与が大きいようです。その他、高塩分、ニトロソアミン、タバコなども関係しています。胃がんができてしまった場合は、早期でしたら、内視鏡で切除できるものも多いです。進行がんは、手術や抗がん剤による治療を行います。
−治療方法−
内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)、抗がん剤による化学療法
大腸がん
食生活の欧米化により、大腸がんが増えております。
早期なら内視鏡で切除できますが、進行がんは、手術や抗がん剤で治療します。
−治療方法−
内視鏡的粘膜切除術(EMR)、ポリープ切除術、抗がん剤による化学療法
食道がん
タバコ、高濃度アルコール、熱いものなどが関係しています。
早期なら内視鏡で切除できますが、進行がんには手術や放射線療法・化学療法を行います。
−治療方法−
内視鏡的粘膜切除術(EMR)、抗がん剤による化学療法、放射線療法
胆嚢がん 総胆管がん
胆嚢がんは、胆嚢結石を合併していることが多いです。がんの程度によりますが、手術や抗がん剤による治療を行います。
−治療方法−
抗がん剤による化学療法、放射線療法
外科
〔取り扱い疾患〕
食道がん 胃がん 小腸がん 大腸がん(結腸がん、直腸がん)、胆道がん(胆嚢がん、胆管がん) 肝がん 膵がん 乳がん
〔診療体制〕
日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本内視鏡学会の認定施設であり、順天堂大学外科の関連施設です。
〔治療方法〕
それぞれの臓器のがんと診断がついた場合、がんが臓器の中でどの程度拡がっているのか、遠隔臓器に移転しているのかを、各種の画像診断を駆使して検査を行います。これによりがんの臨床病期(ステージ)が分類されます。
がんの治療には外科治療、放射線治療、薬物治療があります。臨床病期から各疾患のガイドラインに沿った治療が選択されますが、個々の患者さんの年齢、基礎疾患を考慮し、患者さんに一番メリットのある治療を選択しています。
外科では、手術による外科治療および、抗がん剤などによる薬物療法がおもな治療となりますが、放射線治療、内視鏡を使った切除、穿刺による薬物注入、血管を使った治療など、院内で消化器内科、放射線科と連携を密にして治療にあたっています。
また、根治的な切除治療のできないがんの場合についても、患者さんにメリットのある治療を選択します(閉塞性黄疸の減黄処置、腸閉塞の解除)。
食道がん
開胸開腹手術、3領域リンパ節郭清までの手術を行います。
胃がん
内視鏡治療、腹腔鏡下手術、開腹手術を行います。
小腸がん
適応に応じて手術を行います。
大腸がん
内視鏡治療、腹腔鏡下手術、開腹手術を行います。
肝がん、胆道がん、膵がん
積極的に外科手術を行います。
乳がん
可能であれば乳房温存手術を行います。
センチネルリンパ節生検を導入しています。
再発がん、末期がん
がんで不治の病の患者さんに対しては、正面から取り組み、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、QOL(Quality Of Life 日常生活の質)の向上にスタッフ一同努力しています。
泌尿器科
泌尿器科におけるがん医療はこちら呼吸器内科
〔取り扱い疾患〕
主に肺がん 悪性中皮腫
〔診断について〕
胸部CT、気管支鏡、CTガイド下肺生検などで診断を行っています。また、場合によりPET/CT検査も使用します。
〔治療について〕
がんのステージを確定したあと、治療を開始しています。
当院では基本的に入院し、制がん剤などによる化学療法、放射線療法を行います。
病気の進行度等により外来化学療法も可能です。
放射線科
がんの治療には、大きく分けて「手術(外科的治療)」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」の3つがあります。
当科で行っている「放射線治療」は、エックス線や電子線などの放射線を用いて、がんを安全かつ効率的に治療する方法です。
手術と同じく、がんとその周辺のみを治療する局所治療ですが、臓器を切除したりすることがないため、機能や形態を温存することが可能です。
また、がんの進行状況などにあわせて、手術や化学療法と組み合わせて行うこともあります。
〔診療体制〕
常勤の放射線治療専門医が診療を行っています。
〔治療について〕
完全予約制です。
当院での治療をご希望の方は、まず当該診療科を受診してください。
がん相談支援センター
TEL:048-253-8941 (平日 10:00-15:00)