腎臓内科のご案内
特長
当科で扱う病態は、尿の異常や、急性および慢性の腎臓機能障害、ネフローゼ症候群などであり、付随する浮腫、電解質異常、高血圧、腎性貧血、骨代謝異常等の症状についても検査し、治療を行っています。
最近では、原因に関わらず、蛋白尿や腎機能障害が慢性的に続く病態を慢性腎臓病(CKD)と呼んでいます。
統計によると、成人人口の13%が慢性腎臓病であり、もっとも患者数の多い生活習慣病ともいわれています。60万人余りの成人を抱える川口・戸田・蕨地区には、およそ8万人の患者がいる計算になります。腎臓内科では、急性の疾患にも対処する一方で、慢性腎臓病にどう対応するか、というのが最大のテーマとなっています。
主な対象疾患
腎機能障害やネフローゼ症候群の原疾患を特定するために、腎臓の組織検査(腎生検)を行い、ステロイド剤や免疫抑制剤等の薬剤による治療を計画します。対象疾患としては、IgA腎症をはじめとする慢性糸球体腎炎、膠原病や血管炎症候群、さらに糖尿病等による腎病変があります。
腎機能障害が徐々に進行する慢性腎臓病(CKD)では、内服治療の調整・食事指導・生活指導を行い、かかりつけ医と連携した診療を行います。最近では、高齢化に伴い、動脈硬化に伴う腎硬化症の患者が多くなっており、このような患者の診療においては、かかりつけ医との連携が特に重要となっています。
腎機能が悪化し、腎不全となった場合には、腎代替療法(※)を検討します。当科では年間80~100人の方の腎代替療法を調整しています。
※腎代替療法
腎代替療法には、血液透析、腹膜透析、そして腎臓移植があります。
生体腎移植を希望される方は、東京女子医科大学やその関連施設で移植ができるよう、紹介しています。
血液透析治療を希望される方には、2週間ほど当院に入院していただき、透析治療の導入と指導を行います。
腹膜透析治療についても、当院で導入できるよう準備中です。
当院の透析センターについては以下のページをご参照ください。
特殊な病態に対する新しい治療も行っています。
- IgA腎症に対するステロイドパルス療法±扁桃腺摘出治療
- 多発性嚢胞腎に対するトルバプタン(サムスカ)治療
- ネフローゼ症候群に対するリツキシマブ(リツキサン)治療
学会認定施設
日本内科学会:認定教育病院
日本腎臓学会:認定教育施設
日本透析医学会:認定施設
実績
診療実績
腎臓内科入院患者数 |
400~450 人程度 / 年 |
腎臓生検件数 |
30~40 件 / 年 |
新規の血液透析導入患者数 |
80~100 件 / 年 |
外来の維持透析患者数 |
140 人前後 |
外来の維持腹膜透析患者数 |
9 人 |