手術室に入る患者さんは、大きな決断や緊張を胸に抱えています。その家族もまた同じです。
不安や恐怖、そして「どうか無事に」という願い。その思いを受け止め、最も近くで支えている存在がいます。
麻酔がかかる直前の声かけ。術中、言葉を発することのできない患者さんの代わりにくまなく見守る視線。術後、回復へ向かう時間を見届ける責任。手術という一場面ではなく、『周術期』という時間そのものを支える専門職。それが、手術看護認定看護師です。今回は、当院の最前線で活躍する4名に、思いを語っていただきました。

手術看護を目指したきっかけとは?

ぶっちゃけ…当時は将来について特に考えていなくて。師長に「将来どうするの?」と声をかけてもらったことがきっかけです。3年ほど忍耐強く説得してくださり、4年前に資格を取得しました。
「資格を取ることで全体の看護の質を上げることができる」その言葉が決め手でした。

「根拠のある看護をしたい」という思いが原点です。
教育する立場になったとき、自分の説明は本当に根拠のあるものなのか不安を感じ、もう一度学びなおしたいと思いました。また、実際に活動する認定看護師の先輩の皆さんが、とてもかっこよく見えました。

制度が始まった初期の頃に取得しました。当時は教材も少なく、手探り状態でした。
もっと勉強したい、きちんとアセスメントができる看護師になりたい、という思いがありました。

病棟から手術室に異動した当初、「手術室での看護の中に患者さんがいない」と感じました。医療者中心に行われている印象が強く、流れ作業のような現場に疑問を抱きました。
『患者さん中心の手術看護』をつくっていきたいと考え、スペシャリストの道に進みました。

専門性が発揮された場面はどんな時?

「体位が取れない」とだけ記載された患者さん。どうして取れないのかというところから情報収集をし、多職種で検討を重ね、事前に患者さんに体位確認を実施。
チームで環境を整え、無事に手術を終えることができました。
この経験から情報収集とチームで取り組むことの重要性を再認識できました。

前の病院の話なのですが、忘れられない患者さんがいます。
胸部大動脈乖離の患者さんで、緊急手術で搬送され、そのまま亡くなられました。
この時、全身麻酔で意識を失う前の生きている状態で、最後に話をしたのが自分だったかもしれないという気持ちになり、全身麻酔をかける前にちゃんと話をして、安心して患者さんが手術に臨めるようにしたいと思いました。
その思いから、今は必ず麻酔導入前に患者さんのそばにいて、声をかけたり安心できる環境づくりを大切にしています。

『最後に話す人になるかもしれない』という意識を、常に持っています。

緊張との向き合い方

以前怒られたり、うまくできなかった時は、それこそ何日も引きずっていました

ある時、パっとこんなに緊張していたのがバカみたい、と思えた時があって。こうやってやればいいんだ、というのを掴めたことでそんなに気にならなくなりました。とはいえ、今でも怒られたらしゅんとしますが(汗)。

私はあまり緊張していなかったと思います。
普段通りですね。そういう性格なので。

私は切り替えられないことも。
夢にまで出て、うなされるようなこともありますね。

家では明日の予定を確認したり、手順書を見直したりして考えてしまいます。
でも夢で見ているので2回目のような気持ちで当日挑んでいます。

私は切り替えは得意です。
一晩寝たら忘れます。
反省は次に活かせば、いいんです。

手術の山場が終わるまでは集中しています。
客観的にも全体的にも見続けています。
私はこう見えて、結構メンタルが弱い方なのですが、きたやま師長のその言葉を見習って頑張っています!

これからやってみたいこと

管理者の立場から手術や患者さんを支えていきたいと思っています。
若い認定看護師が活躍し、いきいき働ける環境を整えていきたい。それが患者さんへの還元につながると考えています。みんな打てばすごく響いて返ってくる子たちなので、今後に期待です。

術前・術中・術後、患者さんを安全にケアできるように、周術期全体や後輩の支援に貢献していきたいです。疼痛ケアなどのチーム活動にも力を入れています。

まだ認定看護師を取りたてなので、まずは経験を積んで、自分の強みを探していきたいです。将来的には、他分野の認定看護師さんとも協力しながら、手術室がどんなところでどんなことをしているのかについて、院内スタッフの方へ働きかけもしていきたいです。

手術室の人だけでなく病棟の看護師の方にも継続看護とは、どういうことか理解してもらうために、なにか活動できればと思っています。
手術室だけで完結しないで病棟の看護師さんとも一緒に継続看護ができたらと思っています。

これから手術看護認定看護師を目指す人へ

「患者さんと家族に、さらにいい看護を提供したいと考えている方」と共に、活動していきたいです。

興味を持っていただけるならそれだけでうれしいですし、まずそれが大事だと思います。
手術室を嫌厭しないで、麻酔や手術を受ける患者さんの変化に関心を持ち、周術期を通した患者さんやご家族のケア・支援に関わることに取り組んでいきたいと思っていただける方にぜひ来ていただきたいですね。

看護部採用サイト