放射線科 特長
■ CT装置 3台
■ MRI装置 4台(3.0テスラ:1台、1.5テスラ:2台、0.25テスラ:1台)
■ RI装置(アイソトープ) 1台
■ 血管撮影装置 2台
■ 放射線治療装置 3台
■ PET/CT 1台、を備えています。
学会認定施設
日本医学会放射線学会 放射線科専門医総合修練機関
日本放射線腫瘍学会 認定施設
放射線診断
画像はすべてコンピューター管理下となっており、診断専門医が読影し、迅速にレポートを作成していますので、患者さんは必要があればその日のうちに主治医からの結果説明も受けられます。
また、他の医療機関からの撮影依頼も受けており、こちらも迅速にレポートを作成しています。
CT
最新鋭のDual-Source CTを導入しており、心臓や抹消血管などさまざまな部位の撮影に対応しています。
冠動脈はじめそのほかの動脈のCT angiographyや3D再構築にも力を入れています。
MRI
最新鋭の機器を導入し、より詳細な病原把握が可能になりました。
開口部も少し広くなり、体格の大きな方や閉所が苦手だった方にも安心して検査を受けていただくことができます。
マンモグラム
認定医が読影しています。
核医学
骨シンチグラフィ、ガリウムシンチグラフィの他に脳血流シンチグラフィや腎動態シンチグラフィ、心筋シンチグラフィなどの機能シンチも行っています。
また、負荷心筋シンチグラフィ、リンパ管シンチグラフィ、甲状腺シンチグラフィも行っています。
PET/CT
診療用はもちろんのことPET/CT健診にも力を入れています。
診療用のPET/CTに関しては保険適応となる疾患が国から定められていますので、主治医からの情報提供書を参考に保険・自費の見極めをさせていただいています。
◎診療・PET/CT検査(医療機関の方へ)はこちら
◎PET/CT健診(健診センター)はこちら
放射線治療

がん治療には、手術、薬物療法(抗がん剤・分子標的薬・免疫療法など)、そして放射線治療という3つの柱があります。
放射線治療は体への負担が少なく、高齢者やがん以外の基礎疾患があることで手術や強い薬物治療が受けがたい患者さんに対しても施行可能な治療です。
放射線治療にはさまざまな種類がありますが、当院では、体の外側からX線や電子線を照射する「外照射治療」を行っています。
放射線治療の生物学的原理
放射線ががん細胞に照射されると、がん細胞の遺伝子が障害を受け、増殖できなくなるため、がん細胞の数が減少し、病巣が徐々に小さくなっていきます。 がん細胞の周囲の正常な細胞も障害を受け、副作用という形で症状が現れますが、正常細胞は自己修復する能力があるため、副作用は徐々に回復していきます。
対象となる疾患・適用場面
主な対象疾患は、乳がん、前立腺がん、肺がんなどですが、がんの部位にかかわらず放射線治療が有効な場合が多くあります。また、放射線治療は以下のさまざまな場面で行われます。
・根治治療 : 手術に代わる選択肢として完治を目指す
・予防治療 : 手術後に再発率を低減するために行う
・緩和治療 : 痛みや出血を軽減するために行う
・姑息治療 : がん細胞の増殖を抑えて、がんが増殖することによる不利益な症状(痛み・神経麻痺・出血など)が将来起こることを抑える
放射線治療のスケジュール
一度に必要な放射線を全部照射すると、副作用が強いため、複数回に分けて毎日少しずつ照射するのが一般的です。通常は週5回(土日祝日を除く)で、合計5~30回程度に分けて外照射を行います。
当院での放射線治療の照射法
・通常照射(3次元原体照射:3D-CRT)
CT画像をもとに、がんの位置や形状に合わせて放射線を照射する方法です。周囲の正常な組織への影響をできるだけ抑えながら、がん部位に正確に放射線を当てます。
・強度変調放射線治療(IMRT)/回転強度変調放射線治療(VMAT)
放射線治療の強さや方向を細かく調整し、がんに合わせた複雑な線量分布を作る高度な治療法です。周囲の正常組織をさらに守りながら、がんに集中して放射線を当てることができます。VMATでは、装置が回転しながら短時間で治療が行われる場合もあり、患者さんの負担が軽減されることが期待されます。
・定位放射線治療(SRT/SBRT)
小さながんに対し、精密に放射線を集中して当てる方法です。通常1~5回の短期間で治療でき、体への負担が少ないのが特徴です。手術が難しい場合の新たな選択肢にもなっています。
放射線治療専門医と専門スタッフ
医師、診療放射線技師、医学物理士、看護師など多職種が連携して、それぞれの知識と経験を活かした治療を提供しています。
[医師] 放射線治療専門医が、がんの診断から治療計画、治療中の管理、副作用対応まで一貫して担当
[物理スタッフ] 医学物理士が線量計算や装置管理を行い、診療放射線技師が正確な位置合わせと安全な照射を担当
[看護師] 治療に伴う体調管理や日常生活の支援を担当
放射線治療の流れ
- 初診予約と診察
- 初めて受診されるときは予約が必要です。他院から当科を受診される方は、当院の地域医療連携室にご連絡ください。
(地域医療連携室 TEL:048-253-8136(直通) 平日(月~金)8:45~17:00)
初回の診療で放射線治療の詳細や副作用等を放射線治療専門医が説明します。その後、具体的な日程を相談し、必要な検査等の予約を取ります。また、放射線治療を施行中の生活上の注意等を看護師が説明します。
- 治療ための準備
- 実際の放射線治療を行うための準備として、照射したい部分のCTを撮像し、照射すべき部位や周囲の照射を避けるべき臓器等をコンピューター上で指定し、照射方向、照射範囲の大きさ、放射線量(線量および回数)を決め、体に放射線が照射された場合にどのような線量の分布になるかを模擬計算(シミュレーション)していきます(治療計画)。
模擬計算で病気の治療に必要な放射線量が照射されているか、周囲の臓器に規定以上の放射線が照射されていないかなどを検証し、照射方法が決定されます。照射の範囲や回数等は病気の部位や種類、進行度毎に異なります。
- 放射線治療に
実際に通院 - 完成した照射計画が患者さんの体に合うかどうかを照射開始日に実際の照射台上で確認し、体に目印となる線をつけます。日々の照射は、この目印の線をもとに、照射したい場所にずれなく照射するという作業の繰り返しです。実際の放射線の照射は毎回、数分程度ですが、この線をあわせたり、レントゲンで位置を確認するために5~10分ほどの時間がかかります。
照射開始後、2週間(10回)から3週間(15回)ほどで、副作用が出始める場合もありますが、副作用は個人差が大きく、必ず出るものではありません。副作用の状態を確認するために、照射施行中は定期的に放射線治療医が診察を施行し、必要な場合はお薬の処方などを行います。
- 放射線治療
終了後 - 放射線の効果は、決められた回数をなるべく休止しないように、最後まで完遂してはじめて期待できるものです。1日照射した後すぐに目に見えてくるものではありません。少なくとも、2週間~3週間照射を続けないと明らかな変化は認められないことが多いです。また、照射後1か月~2か月ほど、効果は持続しますので、全照射終了時に病変の縮小が目覚ましくなくとも、経過を見ていただくことが重要です。
照射中に起こった副作用は終了後2週間~1か月ほどで治まることが多いです。その間は、投薬などを継続し経過をみていただきます。
よくある質問 Q&A
Q.放射線治療だけでがんは治りますか?
A.がんの種類や進行度にもよりますが、放射線単独で治癒が期待できる場合もあります。 必要に応じて手術や化学療法と組み合わせることもあります。
Q.高齢者でも放射線治療は受けられますか?
A.年齢にかかわらず、体力や全身状態に応じて治療可能です。 ご本人とご家族と相談しながら、無理のない方法を提案します。
Q. 放射線治療は痛みがありますか?
A.放射線を照射されている間には痛み・衝撃・熱さを伴いません。いつ放射線が照射されたのか感じることはありません。
Q.放射線は身体にずっと残りますか?
A.通常の外部照射(リニアックを使用した治療)では、放射線は体内に残りません。治療後に周囲の人へ影響を与えることもありません。
Q.治療中に仕事や家事はできますか?
A.がん自体に起因する体調不良(痛み・食欲低下・衰弱など)がない方は、普段通り生活することが可能です。脳腫瘍、薬物療法(特に点滴による抗がん剤治療)が予定されている患者さん以外は、外来通院で放射線治療を受ける方が多いです。仕事を続けながら治療を受けることも可能です。
Q.通院時間はどのようになりますか?
A.一人あたり10-15分程度です。平日(土日・祝日以外)は連日の通院となり、9時から16時台に放射線治療予約をお取りしています。完全予約制のため、予約時間どおりにご案内しています。
Q.家族の付き添いは必要ですか?
A.初診時、放射線治療について説明を受けるときにはご家族の付き添いをお願いします。 ご家族にも一緒に話を聞いていただき、患者さんの意思決定のサポートをお願いしています。治療が始まってからは、付き添いは不要です。
Q.健康保険が使えますか?
A.当院で行っている放射線治療はすべて健康保険と高額療養費制度(自己負担限度額を超えた分は後日払い戻される制度)が適用されます。
放射線科 スタッフ紹介
井上 達朗 (いのうえ たつろう)
診療科 | 放射線科 |
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役 職 | 主任部長 |
専門分野 | 放射線診断一般 |
資格・認定 | ・日本医学放射線学会 放射線診断専門医 ・日本核医学会 核医学専門医、PET核医学認定医 |
西村 竜子 (にしむら りゅうこ)

診療科 | 放射線科 |
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役 職 | 部長 |
専門分野 | 乳腺診断 放射線診断一般 |
資格・認定 | ・日本医学放射線学会 放射線診断専門医 ・日本核医学会 PET核医学認定医 ・日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ読影認定医 |
中村 香織 (なかむら かおり)

診療科 | 放射線科 |
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役 職 | 部長 |
専門分野 | 放射線治療 |
資格・認定 | ・日本放射線腫瘍学会/日本医学放射線学会 放射線治療専門医 ・日本医学放射線学会 研修指導者 ・日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 |
相澤 拓也 (あいざわ たくや)
診療科 | 放射線科 |
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役 職 | 部長 |
専門分野 | 放射線治療 |
資格・認定 | ・日本専門医機構 放射線科専門医 ・日本放射線腫瘍学会/日本医学放射線学会 放射線治療専門医 ・日本医学放射線学会 研修指導者 |
保科 彩子 (ほしな あやこ)
診療科 | 放射線科 |
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役 職 | 部長 |
専門分野 | 放射線診断一般 |
資格・認定 | ・日本医学放射線学会 放射線診断専門医、研修指導者 ・日本核医学会認定 核医学専門医、PET核医学認定医 ・日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ読影認定医 |