臨床工学科
臨床工学科は、血液浄化業務、心臓カテーテル業務、ペースメーカー業務、アブレーション業務、機器管理業務、呼吸器管理業務、手術室業務などさまざまな業務に携わっています。医師をはじめ看護師や他の医療スタッフと連携しながら呼吸や循環、代謝に関わる生命維持管理装置の操作及び保守点検を行っています。
当科では、2025年5月時点において臨床工学技士20名(男性15名、女性5名)が在籍しており、川口市をはじめとする地域の医療を担う急性期中核病院として、24時間体制を整えています。
血液浄化業務
当院では透析センター(50床)で慢性維持透析および入院患者さんの血液浄化を行うほか、アフェレーシス療法やCHDFにも対応します。
上記業務に加えて、バスキュラーアクセスに対して超音波エコーを用いた検査や透析液の水質管理、透析装置の定期メンテナンスも行っています。

装置保有台数
- 個人用透析装置:4台
- 多人数用透析装置:47台(日機装、ニプロ、東レメディカル)
- 多用途血液処理用装置:3台(ACH-Σ)

透析装置
(日機装200Si)

透析装置
(東レTR-3300M)

血液処理用装置
(ACH-Σ)
心臓カテーテル業務
心不全評価や虚血性心疾患を対象に、冠動脈造影や血管内治療に関わる業務を24時間体制で対応しています。
使用機材として虚血評価のためのFFR(冠血流予備量比)やIVUS(血管内画像診断装置)、高度石灰化治療のためのRotablator、さらに重症疾患にはIABPやECMO等の補助循環装置を操作・管理しています。

ペースメーカー業務
徐脈や房室ブロックに対するペースメーカー植込/交換の立ち合いや、ペースメーカー外来でのデバイスチェックを行っています。
また、遠隔モニタリングを登録している外来患者さんに対して、定期的なデータの確認を行っています。
アブレーション業務
アブレーションは頻脈性不整脈に対して施行する治療です。
心房細動(Af)や心房粗動(AFL)、発作性上室性頻脈(PSVT)、心房頻拍(AT)、心室性期外収縮(PVC)など幅広い不整脈に対応しています。
主な業務内容として3名で電気生理検査記録解析装置(ポリグラフ)や3Dマッピング装置などの操作、人工呼吸器を含めたバイタルの管理を行っています。

ME機器管理業務
院内にある約1,000台の医療機器を安全に使用できるよう、保守管理、貸出、定期点検、トラブル対応を行い、その実績を医療機器管理システムにて管理しています。
また、人工呼吸器やネーザルハイフローなどの酸素療法中の患者さんへの呼吸ケアサポートを行うRST(Respiratory Care Support Team)への参加や、ICUおよび病棟で使用中の人工呼吸器のチェックなど病棟ラウンドも行っています。

手術室業務
麻酔器・手術用顕微鏡・ダビンチなどの始業点検や、手術室で使用するさまざまな機器の管理、トラブル対応をしています。また、タスクシフトの一環として麻酔科アシスタント業務も行っています。
さらに、整形外科、脳神経外科、耳鼻咽喉科の一部手術でのナビゲーション装置の操作、血管外科におけるセルセーバー装置の準備・操作、泌尿器科におけるHIFU治療の準備なども行っています。

