手術支援ロボット
da Vinci -ダビンチ -

手術支援ロボットda Vinci(ダビンチ)は、アメリカで開発された最新鋭の内視鏡術支援ロボットです。
これは手術を支援してくれるロボットということで、実際に手術を行うのはあくまでも医師です。
ロボット、コンピュータ、工学の各技術を応用して、外科医が行う低侵襲手術を支援する医療機器です。

低侵襲ロボット支援手術とは?

ダビンチは従来の腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り外科医の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を動かして手術を行う内視鏡手術支援ロボットです。

手術支援ロボットda Vinci(ダビンチ)は、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。 術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。 ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。

1.「サージョンコンソール」とよばれる操縦に座り、3D画像を見ながら手元のコントローラーを操作します。

2.「ペイシェントカート」の4本のロボットアームにその動きが伝わります。

3.「ビジョンカート」のモニターに手術中の画像が映し出され、手術スタッフも同じ画像が共有されます。

ダビンチは医師の手の動きを、より細かく精密な動きに変換します。

ダビンチの特長 Features

体への負担が少ない

数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。

鮮明な3D(3次元)画像

コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。

精密な動きを再現

医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。

患者さんのメリット Merit

内視鏡や鉗子を挿入するための5-10ミリ程度の創で済むため、創が小さいこと、出血が少ないこと、そして、患者さんの身体への負担も軽いということが大きなメリットです。

1

入院期間が短い

2

出血量が少ない

3

合併症が少ない

4

回復が早い

5

手術創が小さい

対象疾患


(泌尿器科)
・腎がん・腎盂尿管がん・膀胱がん・前立腺がん・腎盂尿管移行部狭窄症
(外科)
・直腸がん ・胃がん

費用について

当院で対象としている上記の疾患に対するロボット支援手術は保険適用となります。また、高額療養費も適用されます(高額療養費につきましては、所得により異なります)。
※詳細につきましては各診療科でお尋ねください。

担当医メッセージMessage

泌尿器科 主任部長 橋本 恭伸

ダビンチの導入により、より精緻な前立腺摘出術が可能となりました。

前立腺がんの治療は、患者さんのご自身の年齢や併存疾患、また、仕事や介護の有無などの社会的な因子も含め総合的に最適な治療を選択できる時代です。ダビンチは、その一つとして画期的な治療法とも言えます。

済生会は地域に根ざし、地域の医療に貢献することを明治天皇が望まれ設立された病院です。この機器が川口市、埼玉県南部の医療に貢献できるよう安全に使用していくことが責務と考えています。

外科 部長 根上 直樹

2022年5月より、直腸がんに対するロボット支援下手術を担当しております。
これまでの腹腔鏡下手術の利点が、さらに向上・強化されているロボット支援下手術では、今まで以上に精度の高い、精緻な手術が可能となりました。より高いがんの根治性と、より確実な機能温存を追求して参ります。
ロボット支援下手術をとおして、地域のがん医療に貢献できればと存じます。

外科 部長 岡田 治彦

2022年6月より、胃がんに対するロボット支援下手術を担当しております。
当院はこれまで10年間かけて、胃がんに対する腹腔鏡下手術にて、低侵襲・機能温存・最適な再建方法の選択に取り組んできました。
腹腔鏡よりも、さらに低侵襲・精密で合併症の少ない手術が可能であるロボット支援下手術を行うことで、治療を受けられる地域の方々に、より安心を提供できればと思います。