より質の高い医療を提供することをめざし、地域・社会に貢献します

災害拠点

災害拠点病院とは?

平成8年に厚生労働省が阪神淡路大震災を機に、災害時の初期救急医療体制の充実を図り発令したもので、以下の機能を備えています。

  • 24時間いつでも災害に対する緊急対応ができ、被災地域内の傷病者の受け入れ、および搬出が可能な体制を持つ。
  • 実際に重症傷病者の受け入れおよび搬送をヘリコプターなどを使用して行うことができる。
  • 消防機関(緊急消防援助隊)と連携した、医療救護班の派遣体制がある。
  • ヘリコプターに同乗する医師を派遣できることに加え、これらをサポートする、十分な医療設備や医療体制、情報収集システムとヘリポート、緊急車両、自己完結型で医療チームを派遣できる機材を備えている。
    (当院は、市街地に立地しているため、川口市荒川町西中グランド(河川敷)をヘリポートとしています)

災害拠点病院として

当院は、2007年8月に埼玉県より災害拠点病院の認定を受けています。
災害拠点病院としての第1目的は、川口地区で発生した小規模、中規模災害時に、病院として対応可能な体制を整えることです。
さらに、大規模災害時に、埼玉第1ブロック(中央ブロック)、関東、全国に災害派遣救護チームを派遣し、災害救護支援に向かうことを第2目的としています。

災害時における備え

電気:非常用発電機の燃料タンク

電力会社の停電時に活躍するのが非常用発電機です。病院本館は、東日本大震災以降に燃料タンク容量の見直しを行い、現在の法で許可される最大値の10,000L に改修し、約40時間の運転を可能にしました。東館は、昨年の新設時に10,000Lのタンクを設置して約72時間の運転を可能にしています。

電気:常用発電機の非常時使用可能改造

当院の本館には、発電所(常用発電機)があり、日中は本館の電力を補っています。しかしこの常用発電機は、電力会社の停電時は動かない仕組みでした。東日本大震災以降、この常用発電機を非常用にも使えるようにシステム変更を行い、本館は非常用発電機以外にも、この常用発電機が使えるように改造しています。

水:地下水の利用

上水道と地下水を5:5でブレンドして使用し、災害時には、本館・東館で地下水が利用できます。汲み上げるポンプは非常用発電機を利用して院内の飲み水や透析に使用します。また、余力があれば近隣への給水も可能です。

備蓄:食糧

備蓄している食品は長期保存可能食品、濃厚流動食、粉ミルクなどです。病床数、被災者、帰宅困難者等を想定し、600人分確保されています。

職員研修

災害時には各職員が速やかに行動できるよう、院内招集訓練、トリアージの訓練、病院職員に災害時の心構えや対応について周知するための院内講習会を開催しています。
さらに、災害時にどのような流れで各職員が行動するべきであるかの災害対策マニュアルの作成を継続的に取り組んでいます。

院内災害対策(災害トリアージ)訓練

当院では、災害発生時に職員が落ち着いて対応できること、かつ、的確に傷病者に対してトリアージ(識別救急)を行うことにより、速やかな治療に対応できることを目的に、院内災害対策(トリアージ)訓練を行っています。
災害はいつ・どこで発生するかわからないからこそ、いざというときを想定し、継続して訓練することが重要だと考えています。


DMAT

DMAT(災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Team)

DMAT DMAT DMAT

DMAT(ディーマット)とは、災害時、直ちに活動できる機動性をもつ、専門的な訓練を受けた災害派遣医療チームです。 当院では、数名の職員が厚生労働省のDMAT講習会に参加し、DMAT隊員としての資格を持っており、現時点で災害派遣救護チームが2チーム存在しています。

院外活動

2007年8月 新潟県中越沖地震の災害支援ボランティアナース派遣
2008年~(毎年) 川口マラソン大会 救護班参加
2011年3月 東日本大震災 DMAT派遣
2015年9月 関東・東北豪雨に係る鬼怒川の氾濫 DMAT派遣
2016年4月 熊本地震 DMAT隊(待機命令)
2024年1月 能登半島地震 DMAT派遣(医師1名,看護師2名,薬剤師1名)

・活動期間:2024年1月12日~2024年1月17日(活動日3日及び移動日)
・活動場所:珠洲市総合病院
・1月18日帰還
詳細は当院公式Instagramでご覧いただけます