患者さんを中心とした医療の質の向上をめざします

脳神経外科

脳神経外科 特長

4名の脳神経外科認定医(専門医)が常勤で、脳卒中や頭部外傷などの診療を行っています。
また、脳血管内治療の指導医の大石英則医師(順天堂大学脳神経血管内治療学講座教授)を招聘しています。

  • クモ膜下出血に対し、血管内治療(コイル塞栓術)や開頭クリッピング術、また、頚動脈狭窄症に対しては、血管内治療(頚動脈ステント留置術:CASや頸動脈内膜剥離術:CEA)を行っています。
  • 未破裂脳動脈瘤の経過観察、手術治療(開頭術、血管内治療)も行っています。
  • 脳腫瘍の診断から手術治療、化学療法まで行っています。リニアック照射治療は通院でも可能です。
  • 眼瞼けいれんや顔面けいれんに対するボトックス治療、手術治療を行っています。
  • 毎週木曜日に、てんかんの専門医である鈴木皓晴医師(順天堂医院てんかんセンター)が外来を行っています。
    難治性のてんかんに対し、迷走神経刺激装置:VNS植え込み術などを施行しています。
  • 毎日、外科系の当直とは別に「脳神経外科当直」がおり、いつでも脳神経の救急医療ができるようになっています。
    特に、脳卒中の超急性期の受け入れに全力をあげて取り組んでおり、t-PAを用いた血栓溶解療法、デバイスを用いた血栓回収療法(脳血管内治療)を行っています。MRIや脳血流シンチを用いて病態を診断し、ICUで急性期管理を行っています。
  • 脳卒中地域連携パスを使用し、医療福祉相談員(MSW)の協力により、回復期リハビリへの橋渡しも行っています。

主な対象疾患

当院の脳神経外科は、次のような症状や病気を担当しています。

  • 急に手足に力が入らなくなったり、半身の感覚が鈍くなる、うまく言葉がしゃべれなくなる、
    などの症状で始まる脳出血や脳梗塞(脳血栓)
  • 激しい頭痛や意識障害が急にはじまるクモ膜下出血(脳動脈瘤の破裂)
  • MRAで発見された未破裂脳動脈瘤
  • 頚動脈狭窄症
  • 脳の原発性腫瘍や転移性脳腫瘍
  • 頭部外傷(頭や顔のケガ)
  • てんかん(ケイレン)
  • 頭痛(偏頭痛)
  • 顔面けいれんや眼瞼けいれん
  • 顔の鋭い痛み(三叉神経痛)
  • 慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症による歩行障害、認知機能低下
  • 水頭症などの脳の先天的な病気

救急車で運ばれてくる患者さんを診ることが多いのですが、病院(救急科)や開業されている脳神経外科、神経内科、一般内科の先生からもご紹介いただいております。

学会認定施設

日本脳神経外科学会専門医認定委員会研修プログラム認定
日本脳卒中学会専門医認定制度研修教育病院
日本脳卒中学会一次脳卒中センター

脳血管内治療外来

大石 英則 (毎週月曜午後)

未破裂脳動脈瘤の血管内治療や、頚動脈狭窄症に対するステント留置術(CAS)などに関する外来です。



てんかん外来

鈴木 皓晴 (毎週木曜午前)

「てんかん」は大脳神経細胞の過剰興奮がもとで繰り返し起こる「てんかん発作」を主徴とする慢性疾患です。あらゆる年齢でおこり、有病率は人口の1%弱、生涯発病率は3〜4%とも言われ、頻度の高い神経疾患のひとつです。治療が適切であれば6〜7割の患者さんの発作は止まりますが、そのためには適切な「てんかん診断」が必要であり、「てんかん診断」の誤りは薬物選択の誤りに通じ、患者さんは、合わない薬を飲みつづけることになります。
 一方、適切な薬物治療にもかかわらず、長期にわたりてんかん発作が止まらない「難治性てんかん」の患者さんに対しては、外科手術による治療を検討します。画像検査・脳波検査など多岐にわたる検査を行った上で総合的に判断して治療方針を検討します。
 当院では “てんかん外来”を行なっています。問診、脳波、MRIよりてんかん診断を行い、適切な治療を選択します。また、より詳細な検査や専門的な治療が必要と思われる方には順天堂大学てんかんセンターで検査・治療を進めることになります。(当科外来へ週に1回、順天堂てんかんセンターから脳神経外科医が派遣されております。)てんかん治療のみでなく社会福祉サービス、運転免許、就労、妊娠に関する相談にもお答えします。受診に関してのご相談は病院職員にお尋ねください。

※ポスターはこちらからPDF閲覧可能です

主な手術・治療・検査とその実績

手術

2023年~ ※実績集計期間は前年12月~当年11月

2023年
症例数
手術総数 177
脳腫瘍 15
脳血管障害 33
外傷 43
水頭症 17
てんかん 1
微小血管減圧術 1
血管内手術 65
感染症 1
その他 1

2017年度~2020年度

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
手術総数 292例 209例 202例 179例
 脳腫瘍 31例 22例 22例 15例
 脳動脈瘤
 (開頭クリッピング)
 (血管内治療コイリング)
53例
(21例)
(32例)
39例
(11例)
(28例)
19例
(10例)
(9例)
20例
(4例)
(16例)
 その他の脳血管障害
 (脳出血など)
52例 76例 54例 66例
 外傷 69例 52例 70例 78例

脳梗塞治療

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
脳梗塞入院 212例 200例 190例 236例
t-PA症例
 血栓回収
34例
6例
25例
8例
35例
18例
33例
15例

検査

  • CT 3D-CT
  • MRI MRA(MR血管撮影)
  • 脳血管撮影(DSA)
  • 頚動脈エコー(超音波検査) 脳血流シンチ(SPECT)
  • 血小板凝集能検査 脳波検査

脳神経外科 スタッフ紹介

光岡 英之 (みつおか ひでゆき)

診療科 脳神経外科
役 職 主任部長
専門分野 MRIによる機能性評価と微小解剖 脳血管障害・脳腫瘍の治療
資格・認定 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医

井関 征祐 (いせき せいすけ)

診療科 脳神経外科
役 職 部長
専門分野 脳血管内治療 脳卒中 脳神経外科一般
資格・認定 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医
日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医
日本脳卒中学会認定 専門医

川村 海渡 (かわむら かいと)

診療科 脳神経外科
役 職 医長
専門分野 脳神経外科一般 正常圧水頭症
資格・認定 日本脳神経外科学会認定 脳神経外科専門医

堀越 恒 (ほりこし こう)

診療科 脳神経外科
役 職 医員
専門分野 脳神経外科一般
資格・認定 日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医

(非常勤) 大石 英則(おおいし ひでのり)

(非常勤) 鈴木 皓晴 (すずき ひろはる)