輸血検査
輸血は、出血や病気あるいは治療により減少した血液成分を補うために行なう重要な治療法です。
使われる血液には、あらかじめ患者さん自身から採血する「自己血」と、献血で作られた「輸血用血液製剤」があります。輸血用血液製剤の安全性は高いものとなりましたが、副作用を起こす可能性もあります。
輸血を受けるにあたり、医師から患者さんまたはご家族に対して十分に説明を行い、理解し同意を得た上で行います。
輸血部門は、安全で適正な輸血を実施するため24時間体制で検査対応しています。また、薬事法に従い、血液製剤の使用したことの記録を20年間保存します。ご了承ください。
輸血に関する検査
(1)血液型検査
ABO式・Rh式血液型は輸血時には重要な検査です。
(2)不規則抗体検査
不規則抗体は、妊娠歴や輸血歴のある人から検出されます。
抗体の有無を事前に確認することで、安全な輸血や血液製剤の確保に大変重要です。
また、妊婦さんが抗体を持っていると抗体の種類によって、赤ちゃんの血液が壊されること(新生児溶血疾患)がありますので、早めに件検査しておく必要があります。
(3)交差適合試験
輸血をうける患者さんが、血液製剤と適合するか確認する検査で、副作用を防止するために行ないます。
(4)その他
直接クームス試験、間接クームス試験など
製剤の管理
血液製剤、自己血を専用の保冷庫とフリーザーで適正な温度で保管します。
自己血
輸血用血液製剤に伴う副作用を回避する目的で行なわれます。
当院では貯血式自己血輸血を行なっています。
対象者は採血基準をもとに術前状態が良好で待機手術の方に限られます。
採血は、医師、看護師、臨床検査技師がチームで協力して行ないます。
赤血球液-LR
[A型Rh(+)]
新鮮凍結血漿-LR
[A型Rh(+)]
濃厚血漿板-LR
[A型Rh(+)]
自己血
輸血を受けた患者さんへ
輸血に用いる血液製剤は、日本赤十字社が感染症等の必要な検査を行なっており、安全性の確保に努めています。
しかしながら、検査には限界があり、まれに肝炎ウイルスおよびHIVに感染する可能性があります。このため輸血を受けた2〜3ヶ月後に、感染症の有無を確認する血液検査をおすすめしています。
輸血による感染と判明した場合は「生物由来製品感染等被害救済制度」による給付を受けることができます。
- 入院中の患者さんは、退院の際に診察予約を入れることをお勧めします。
- 当院にて受診できない場合は、最寄りの病院で検査を受けて下さい。
- 輸血を受けて2〜3カ月後は、検査費用が保険適応となっておりますので期間内の受診をお願い致します。
【 検査項目 】(輸血療法の実施に関する指針)
B型肝炎ウイルス・・・・・・HBV-DNA (PCR)
C型肝炎ウイルス・・・・・・HCVコア蛋白またはHCVコア抗原
エイズウイルス抗体・・・・・HIV抗体